「営業」の仕事は組織の利益を上げる部門です。そのために、営業部門は業務の結果を明確に表示し、対策を考える必要があります。さらに利益を得るためには、新規開拓を行い売上を上げ続けることが非常に重要となります。
しかし営業という仕事は、業務を行った時間や内容に結果が伴わない場合もあります。自身が結果を出そうと努力をしても利益が上げられなかった場合、「きつい」「つらい」という感情がどうしても出てきてしまうもの。営業が苦手だと考える人も多く存在しています。
今回は、新規開拓営業を成功させるやり方をご紹介します。営業におけるさまざまな手法を把握して、苦手意識を吹き飛ばしましょう。
熱意を込めて新規開拓の営業に行ったのに、「今、忙しいので。」「うちは大丈夫なんで。」と、けんもほろろに対応されてしまうと、心が折れてしまうものです。営業には、このような状況が当たり前のようにあるため、「つらい」「きつい」と敬遠されてしまうのでしょう。
では、具体的にどのような場面で苦痛に感じやすいのでしょうか?つらさを感じる状況で、どのような対処すべきかをご紹介します。
初対面であっても長年の友人のように喋れる人も稀にいますが、大抵の人は緊張してしまい、上手くアプローチすることができません。相手がどのような性格で、どのような思考の持ち主なのかがわからない中で、こちら側の問いかけなどに対する反応を見ながら、対策を考える必要があるからです。すでに営業のスキルや経験がある人であれば、相手の反応を読み取る技術を持ち得ていますが、経験が浅い場合はなかなかハードルが高いものです。
まず、初対面の人を相手にしなければならない場合は、相手との信頼関係を築くことが最も重要だと心得ておきましょう。こちら側が一方的に喋るのではなく、相手の話に耳を傾けて情報を得ることが大切です。その中で抱えている課題が見えてきたら、自社製品を絡めて課題解決につなげる方法を提案してみましょう。
営業は不特定多数にアプローチしなければなりません。どの層にニーズがあるのかを確認する意味もありますが、誰がターゲットになり得るのかさえわからない状況で、とにかく多くの人に接する必要があります。多くの人にアプローチするということは、その分相手に拒否されることも多く、心が折れてしまいそうになりがちです。
この場合、製品によっては、ある一定数の層にしかニーズがない場合もあるので、「拒否もある程度は当たり前にある」と考えておきましょう。広くアプローチすることで、ニーズのある層が見えてくるので、少しずつ絞り込んでいくことができます。
新規開拓営業にはさまざまな手法があります。それらを大きく分けると、「アウトバウンド」と「インバウンド」があります。「アウトバウンド」とは、企業側から顧客側に対してアプローチする方法をさします。主に、飛び込み営業・メールや手紙営業・テレアポなどがアウトバウンドです。幅広い層にアプローチすることが可能なので、製品を知らなかった、または新たなる層への開拓が可能となる営業方法です。
では、具体的にこれらはどのような営業を行うのでしょうか?ポイントもご紹介します。
営業のイメージとして真っ先に思いつくものといえば「飛び込み営業」ではないでしょうか。飛び込み営業はあらかじめアポイントを取らずに、突然訪問するため、時間帯やタイミングによっては迷惑だと思われる可能性はあります。しかし、営業にとって「直接会って話を聞いてもらえる」という状況は、最もアプローチがやりやすい方法であり、場合によってはその日のうちに契約締結につながることもあります。
まずは相手に良いイメージを与えられるように、身だしなみやマナーには気をつけましょう。タイミングが合わず、その日は話を聞いてもらえなくても、後に問い合わせが来る可能性もあります。良いイメージを残して立ち去ることが重要です。
結果によって一喜一憂しがちではありますが、とにかく数をこなすことが大切です。
新規開拓のためにメールや手紙を送るのも、アウトバウンドです。メールや手紙というものは、担当者に日々大量に届く可能性があるため、開封率を考えるとメッセージを目にする可能性は他の方法に比べて低くなるとこもありますが、飛び込み営業に比べると、相手側の都合に合わせて読んでもらえるというメリットもあります。
開封してもらえれば、製品の詳細を担当者に読んでもらえるので、満遍なく配布することで契約締結につながる可能性もあります。
テレアポは、こちら側から相手に荷電して訪問のアポイントメントをとる方法です。顔を合わせることはありませんが、直接話すことができるので、相手の反応をみながら話の流れを作ることができるので、相手の興味を引くことができやすい手段です。アポが取れなかった場合でも、資料送付ができる場合もあるので、積極的に取り入れられています。
しかし、飛び込み営業と同様に相手のタイミングが悪ければ、最初から拒否されてしまうこともあります。短い時間で要点を相手に伝えられるように、あらかじめトークスクリプトを呼ばれる、いわゆる「台本」を用意している場合が多くみられます。経験が浅い場合でも、トークスクリプトがあればスムーズに話を進められるので、あらかじめ準備をしておきましょう。
こちら側からアプローチする「アウトバウンド」に対し、動画やブログなどのコンテンツで興味を持ってもらい、相手を誘導する方法を「インバウンド」と呼びます。近年では、ホームページやブログ、SNSなどで情報発信を行うこの手法も主流となっています。商材に興味を持った相手側から問い合わせが来るインバウンドは、アウトバウンドに比べて、確度が高いため営業に費やす時間を効率的に使うことができます。
では、具体的なインバウンドの新規開拓営業とはどのようなものなのでしょうか?それぞれの詳細をご紹介します。
今や組織がホームページやブログを運営し、自社商材を紹介するという方法は、当たり前とも言えるのではないでしょうか?スマートフォンやパソコンで手軽に見て、興味がある場合は、問い合わせやメールマガジン登録をしてもらえます。
まずは誰が見ても見やすく、わかりやすいホームページを作りましょう。不特定多数の人が閲覧するものではありますが、ターゲット層を幅広く取りすぎると、情報を絞り込むことができず、ぼんやりした内容となりがちです。あらかじめ、ターゲットを絞り質の良い情報を発信しましょう。閲覧数などのアクセス状況を確認しながら、改善していく必要があります。
SNSの代表格といえば、「Facebook」「Twitter」「Instagram」です。世界中で多くの人達が利用しており、ちょっと空いた時間でつい見てしまうという習慣がついている人も多いのではないでしょうか。さまざまな情報をまとめ、一ヶ所で公開しているホームページとは異なり、組織のメッセージを伝えながら、タイムリーな情報を頻繁に更新できます。
こちら側からの一方的な情報提供だけでなく、相手側が手軽に「いいね」などのアクションやコメントを入れることができるので、発信した情報に対するユーザーの反応がすぐに得られます。
SNSは多くの種類があり、それぞれに特徴があります。「質より量」で結果が出やすいツールや、いわゆる「映える」写真などが注目を浴びるツールなど、利用するツールによって運用方法が異なります。また、中心となっているユーザーの年齢層も異なります。新規開拓営業でSNSを利用するのであれば、ターゲット層がマッチするアプリでファンを増やしていきましょう。
Webセミナーとはインターネット上で行うセミナーや講習会のことです。「ウェビナー」とも呼ばれています。以前はそれなりの人数を収容できる会場をおさえたり、数多くの資料を用意したりする必要がありましたが、現在はWebで行うのが主流になりつつあります。
一度に大勢の人へ、自社商材の詳細を紹介できるため、効率的かつ効果的に新規開拓営業を行えます。
従来の会場を借りる場合、多額の費用が必要となりましたが、Webセミナーの場合はコストがほとんどかかりません。ターゲット層を変えたり、専門的な知識の有無で開催時間を分けたりしながら、何度も開催することが可能なのです。また、参加者はわざわざ会場へいく必要がないので、どこに住んでいても手軽に参加できますから、幅広い参加者に向けて行うことが可能です。
広告には「オンライン広告」と「オフライン広告」があります。看板や電車のつり革、新聞・テレビ・雑誌、最近ではタクシー内で動画を流すものなど、インターネットを介さないこれらは「オフライン広告」。それらに対してインターネット上で見かけるWeb広告は「オンライン広告」です。
以前では「オフライン広告」が主流でしたが、インターネットの普及ともに減少傾向にあるようです。しかし、オフライン広告はオンライン広告に比べて、一見コストがかかるようにも思えますが、検索エンジンで上位に表示するためのSEO対策などを考えると、かえって有効な場合もあります。ターゲット層が絞られている場合には、パソコンで手軽にチラシなどを作成すれば、かえってコストがかからない有効な手段となる場合もあります。
一方「オンライン広告」は現在の主流とも言えます。SNS広告であれば情報を拡散してもらえるうえに、発信した広告から多くのデータを手に入れることができるので、次の戦略に役立てることもできます。
現在の新規開拓営業にはさまざまな方法があります。自社商材の性質に合わせて選ぶのが重要となりますが、それらを成功させるためには、どのような手順とやり方が最適なのでしょうか?
どの手法を選んだ場合でも共通する新規開拓営業のポイントをご紹介します。有効な手法を選んだだけでは結果を出すことはできません。これらのポイントを実行し、新規顧客を獲得しましょう。
自社商材にニーズがあるのは、どんな層なのでしょうか?それを明確にすれば自ずと戦略が見えてくるのです。新規開拓営業といえば、ただ闇雲に売り込むという方法をイメージしがちですが、それでは必要以上に労力やコストがかかります。また、どんな人に売りたいかというイメージがなければ、相手が欲している情報もわかりません。
年齢層や性別、企業に対するものであれば職種などを絞り込み、ターゲットを明確にすれば、相手が興味を持つようなアプローチ方法がわかります。
新規開拓営業を始める場合に最も重要になるのは、営業戦略を立案することです。営業戦略とは「どんな市場で、どの層をターゲットにして、どの商品を売るか」を明確にするということです。
営業戦略の立案方法は複数あります。自社を取り巻く環境を分析するのに役立つ「3C分析」、どこにピントを合わせて営業を行うかを決める場合に役立つ「パレートの法則」、大企業が占拠する市場で中小企業が浮上するための「ランチェスター戦略」、顧客の広告に対する心理過程がわかる「アイドマの法則」などが代表的なものとして挙げられます。自社に合った戦略を立案しましょう。
どれほど素晴らしい商材であっても、担当している営業の印象で契約まで辿り着けなかったという話もよく耳にします。契約締結するまでには時間がかかることも多く、何度も訪問して信頼関係を築くことが営業にとっては最も重要だとも言えるでしょう。
また営業は組織の顔でもあります。営業の立ち振る舞いを見て、信用できる組織なのかどうかを判断されることもあるので、常に組織を代表しているということを、心に留めておきましょう。
最終的には「この人なら信頼できる」「あなたから買いたい」「この企業と契約がしたい」と、思ってもらえるほどに見込み客との関係性を向上させられたら理想的です。
PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返しながら、管理業務を改善していく方法です。計画をただ実行しただけで放置していては、それらの行動や結果を次に生かすことができません。
計画、実行したら必ず評価をし、改善策を立てましょう。この一連の流れを続けることで、必要なもの、不必要なものが明確になり効果的な方法に近づくことができます。改善策を立てたら、再度、計画・実行と何度も何度も回していくのが重要です。
今回は新規開拓営業のための手法を複数ご紹介しました。社風や商材の性質はさまざまですから、これがベスト!といった手法はありません。自社に合った手法がベストなのです。一つの手法に固執せずに、まずは複数の手法を試してみましょう。
新規開拓営業は不特定多数の人にアプローチする場合が多いので、その業務自体を敬遠する人もいますが、需要に合う人が見つかった時の達成感は、やりがいをおぼえる場面でもあります。近年では飛び込み営業のようなアウトバウンド営業だけでなく、インバウンド営業も効率的に成果をあげています。「つらい」「きつい」だけの新規開拓営業ではなく、やりがいのある新規開拓営業にできるかどうかは、最初の営業戦略にかかっています。最適な方法を探しだしてみましょう。
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