営業担当なら「スケジュール管理」に気を付けよう!
営業は「人と会うのが仕事」といわれるように、お客さまとの商談や電話での応対がなにより優先される業務といえます。しかし、営業の仕事はお客さま対応だけではありません。
資料準備や業務連絡、日報や経費報告など、営業活動以外のやるべきことに忙殺されて、「仕事に追いかけられているようだ」「書類仕事を後回しにしてしまって残業ばかり」という悩みを持っていませんか?
スケジュール管理を見直して、できる営業マンを目指しましょう。
営業担当が管理すべきスケジュールの内容
外回りメインやルートセールス、新規開拓専門など、それぞれの営業セクションによって役割は異なるかもしれませんが、基本的な営業の仕事を整理してみると、実に多くのタスクがあることがわかります。
・既存顧客に関わること
アポ取り、スケジュール調整、提案資料・見積書作成、電話やメールでの連絡、訪問時の往復時間、商談、契約書作成、契約後フォロー
・新規開拓営業に関わること
見込み客のリスト化、電話やメールでの売込み、飛び込み営業、移動時間
・社内業務に関わること
営業会議、打合せ、電話やメール・社内チャットなどでの業務連絡
・ルーチンワーク
日報作成、交通費・経費などの積算業務
・ブレイクタイム
アイデア出しの時間、ランチタイム・休憩時間などでの職場交流、プレゼンのためイメージトレーニングなど
目の前のことから手を付ける、期日の迫っているもの・クロージングに近いものを優先する、というやり方では段取りを組むことすら難しくなってしまいます。
タスクを整理して自身のスケジュールを管理し、作業の効率化を図りましょう。
営業担当のスケジュール管理の重要性
営業マンは月ごとの営業達成数を目標数値に届かせるため、不断の努力をしていることでしょう。しかし、目の前の仕事に追われては中長期的な視点を持つことができません。
クロージングに近い案件を優先していると見込み客へのアプローチが手薄になり、今月は売上を達成できても、翌月の目標は果たせなくなってしまいます。また、仕事の質を高め、顧客の信頼を得て実績を上げるためにはそれぞれの業務に集中する時間を確保することが必要でしょう。
効率的に時間を作るためには、スケジュール管理の徹底が重要なのです。
顧客との約束を守るため
スケジュール管理がなされていないと「連絡をうっかり忘れる」「ダブルブッキングになっていた」「資料作成が間に合わない」などのトラブルの原因となり、いずれ重大なミスにつながります。面談時間や提出物など、顧客との約束事を守るため、タスクの見える化と管理を徹底しましょう。
納品物の品質に影響する
時間に追われて作った提案資料にミスはないでしょうか。独自のアイデアを盛り込むことはできましたか。顧客の購買意欲をそそり、心を動かすプレゼンには相応に時間をかけた準備が必要です。
また、いざ商品を納品する際にも、数の間違いはないか、品番があっているか、営業マンが最終確認をすることは多いでしょう。納品物の品質を保つため、確認作業にもしっかりと時間がとれるようにスケジュールを組みましょう。
営業担当がするべきことは多い
前述の通り、日々営業マンがするべき仕事は数多くあります。優先されるべき顧客対応の合間に、その他の作業をこなす時間をどう作るか、各人が苦労しているところでしょう。
所要時間や取り掛かりやすさなどを目安に、きちんと段取りを組むことが必要です。
営業担当がスケジュール管理に失敗する原因
スケジュール管理や段取り能力は、日々膨大なタスクをこなす営業マンには欠かせないスキルです。しかし、性格やパーソナリティーに関わる側面からマニュアルなどはなく、各人のやり方に任されているのが現状です。
手帳にはアポイントや書類作成など毎日の予定を書いているのに、なぜ時間に追われてしまうのでしょう。同じような業務をしていても余裕があるように見える「できる営業」とは何が違うのか、スケジュール管理に失敗する原因をみていきます。
時間配分を間違えてしまう
スケジュール管理において、それぞれのタスクにどのくらい時間がかかるのかを想定し、その通りに実践することが大切です。ここを間違えると、その日の予定がどんどん押してしまい、結局「残業時間にどうにか業務を納められた……」ということになってしまうでしょう。
余裕を持ったスケジュールを組んでおけば、突発的な事態にも振り回されることがなくなります。
タスク管理に不備がある
「今は集中できないから後でやろう」「今日はクロージング作業優先で」など細かな業務に手を付けずにおくと、期日前には文字通り忙殺されることになります。
タスクを一度全て書き出して、優先順位を付けてみましょう。期日までの横軸と、今日はどのくらい時間が使えるのかの縦軸をみながらタスクを振り分けていきます。
スケジュール管理に必要な情報を網羅できていない
スケジュールを組むには時間の想定が必要ですが、経験則だけでなんとなく想定してしまうとその通りにいかないということが発生します。
この顧客は商談が長引きがち、この顧客へのルートはアクセスが悪く時間がかかるなど統計をとっておきましょう。自身が業務にかかる時間も同様にデータ化します。メール1本打つのに○分、見積書作成には○分など、1週間ほど行動記録をとってみましょう。
集中して早くできたときを参考にするのではなく、時間がかかったときを基準としてスケジュールを組むのがポイントです。
営業担当がスケジュール管理において重視すべきこと
スケジュール管理は単なる日程表ではなく、作業の効率化を高め、自身のモチベーションを継続するための手段ともなります。より良いパフォーマンスを得るために重視すべきことを解説します。
タスクを明確にする
「書類作成」というタスクには「誰に宛てて」「いつまでに」「何について」という基本情報と、「リサーチ」「打ち込み」「プリントアウト」「上長確認・稟議」という作業フローが隠れています。
タスクと基本情報をセットで管理しておくと、仕様書を見直したり、依頼メールを読み直したりという作業を省けるようになります。作業フローひとつひとつについてもタスク化して、スケジュールに組み込みましょう。
時間をコントロールする
膨大なタスクに追われていると、「いつになっても終わらない」という状況に疲弊してしまいます。1日の初めにタスク管理をして、進捗状況を確認する時間を作りましょう。「これだけ終えることができた」という達成感と「今日はここまで終わらせよう」と主体的に時間をコントロールする感覚はモチベーションにつながります。
適切なツールを利用する
スケジュール管理を習慣付けるには、タスクに付随する情報をセットで扱えて、いつでも確認できるようにツールを利用するのがおすすめです。自分に合ったツールを見つけられれば、作業時間を飛躍的に効率化できるでしょう。
営業担当がスケジュール管理をする方法
スケジュール管理の方法は、愛用の手帳のウィークリーカレンダーやポストイットでのToDoリストなど、営業マンの数だけあるといっても過言ではありません。それらは前述の「スケジュール管理に必要な情報」が網羅できているでしょうか。突発的な事態が起きたときの変更はしやすいですか。スケジュール管理によって業務を効率化し、「生産性を高める」という観点からツールを見直してみましょう。
紙のメモ帳やノート、付箋
紙ベースのスケジュール管理はアナログに感じられますが、終わったタスクを棒線で消す、付箋を剥がす、といった行動が生まれるので、達成感を得やすい手法です。
しかし、タスク管理の習慣化には、終えたタスクを振り返り、実際の所要時間や反省点を追記して保存しておくことをおすすめします。完了したメモや過去の付箋をスクラップするノートを用意しておけば、前例を参照したいときなどに役立ちます。
スケジュール帳などのアプリ
スマートフォンの普及により、気軽に使えるスケジューラーが数多く開発されています。その多くは一般向けですが、使い方次第で営業活動にも役立つ予定管理ツールになります。なにより、無料で気軽に使えるのが数多くあるので、いろいろなものを試して、自分に合ったアプリを探すのも良いでしょう。
グーグルカレンダー、タイムツリー、ライフベアなどは利用者数も多く信頼度が高いといえます。
営業向けツール
営業活動に特化したITツールもさまざまなものがあります。案件の進捗状況をドラッグアンドドロップで直感的に操作できたり、スケジュールとして入力したデータをそのまま日報に反映できたりと作業の効率化が図れます。
グループウェアとして利用すれば情報共有も簡単にできるので、セクション全体で導入したいですね。
サイボウズオフィス、オフィス365、営業日報マーク2など、外出先でも確認・入力しやすいようマルチデバイスで設計されているものがおすすめです。
まとめ
スケジュール管理が身につくと、時間を有効に使えるようになり、日々の業務に余裕が生まれます。空いた時間を自分のスキルを磨く時間にしたり、顧客の深耕フォローや新規開拓など得意分野に当てたりすれば、営業成績を伸ばし続けられる良いサイクルとなります。
「できる営業」を目指して、スケジュール管理のステップを見直してみましょう。