会社に「DocuSign」を導入するメリットとデメリットは?
紙の契約書で契約を結ぶ場合、書類の郵送や訪問をするなど、時間もコストもかかりますよね。また紛失やセキュリティ面も心配ではないですか?そして最近ではリモートワークをする人も増えていますが、判子を押すためだけに出社しなくてはならないといった方も少なくないと思います。
電子署名サービスを使えば、いつでもどこからでも署名することができ、オンライン上でデータを扱うので、コストを抑えられる上にセキュリティ管理も安心です。
今回は世界で最も多くのユーザーに利用されている「DocuSign」というサービスをご紹介します。ツールの特徴や料金、メリットなどをまとめたのでぜひ参考にしてください。
DocuSignとは?
DocuSignとはどのようなアプリなのか具体的にご紹介します。
DocuSignの概要
DocuSignは、180カ国以上で50万以上の企業・組織が利用する、世界で最も利用者数の多い電子署名アプリです。
合意や契約などをする際、必要な書類の作成から署名捺印、管理までをオンライン上で行うことができます。またパソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスから使用できるので、時間や場所に関係なく書類作成や署名捺印作業が可能となります。セキュリティも万全ですし、Word、Excel、PDFなどのツールにも対応可能です。
DocuSignの料金
DocuSignには3つのプランがあります。
・Personalプラン(個人向け)
月額プラン:1ユーザーあたり$15
年額プラン:1ユーザーあたり$120
・Standardプラン(企業向け)
月額プラン:1ユーザーあたり$40
年額プラン:1ユーザーあたり$300
ユーザー数:最大3名まで追加可能(4名以上になる場合はDocuSignへの連絡が必要)
・Business Proプラン(企業向け、Standardプランよりも機能が充実)
月額プラン:1ユーザーあたり$60
年額プラン:1ユーザーあたり$480
ユーザー数:最大3名まで追加可能(4名以上になる場合はDocuSignへの連絡が必要)
DocuSignの提供会社
アメリカに本社を置くDocuSign Inc.がサービスを提供しています。日本法人はドキュサイン・ジャパン株式会社です。
DocuSignの特徴やメリット
ここからは、DocuSignを使用するメリットをお伝えしていきます。
世界180か国以上、44言語で署名できる
多言語に対応しており、43言語で署名ができ、13言語で文書を送信することができます。そのため、海外企業との取引にも有用です。
国内外さまざまな企業が利用中
180カ国以上・50万社以上で利用されており、日本企業での導入も進んできています。多言語に対応していることや、ネット環境があればどこからでも使用できるため、国内外で幅広く利用されています。
世界標準のセキュリティとプライバシー
世界で最も厳しいとされる認証に必要なプライバシー保護、セキュリティ条件を満たしています。紙で情報管理をするよりも安心して利用できます。
文書への署名のみなら無料で利用できる
署名するだけであれば、無料で利用することができます。しかし他のユーザーに契約書の署名を依頼する場合や、管理、機能をカスタムする場合は、有料プランの契約が必要です。
30日間の無料トライアルがあるので、無料で試してから有料プランに移行すると良いかもしれません。
機能に応じてプランを選択可能
プランによって利用できる機能が異なります。
・Personalプラン
1人で利用するのに適しており、1カ月に5回までエンベロープ(合意に必要な文書のデータや情報)を送信することができます。1回のエンベロープで送信可能な文書やデータには制限はありません。
・Standardプラン
Personalプランよりもビジネスシーンに適した機能を搭載しています。たとえば、送信した文書のリマインダーや有効期限の通知メールを相手先に送信することができます。さらに開封から完了までの進捗状況をリアルタイムで確認することもできます。
・Business Proプラン
Standardプランよりも多くの機能があり、様々なビジネスシーンに対応することができます。たとえば、署名するのと同時に、署名者に支払い依頼ができる機能や、本人認証や運転免許証などの身分証明書を添付できる機能もあります。
ピーク負荷時間でも一貫した高パフォーマンス
DocuSignは24時間365日、無停止でメンテナンスやアップグレードをし続けています。さらに、ユーザーがいつでもシステムの問題を報告できたり、UXの監視やレビューの反映をしたりと、ユーザーにとって最適な環境を整えています。
DocuSignのデメリットや注意点
これだけ多くのメリットがある便利なツールですが、海外で開発された製品であり、日本では導入が進んだばかりということで、そこから生じるデメリットや注意点がいくつかあるようです。
契約締結に際して国際的に許可された内容か確認が必要
DocuSignは多言語での使用が可能ですが、国によっては電子契約の許可されている内容が異なります。そのため海外企業との契約の際には、国際的に許可されたものであるか必ず確認してください。
日本向けにローカライズされていない機能がある
ツールの発祥がアメリカであるため、日本向けにローカライズされていない点がいくつかあります。マニュアルが日本語表記されていない部分があったり、姓と名が逆に表記されたり、日付フォーマットが米国式になってしまうようです。
なおこれらは現在改善中とのことで、日本支社のドキュサイン・ジャパンに相談すれば案内を受けられる場合があります。
日本向けのサポートは手間がかかる
アメリカで開発されたツールなので、日本で手厚いサポートを受けたい場合は、別途で日本支社のサポートセンターなどに依頼をする必要があります。
相手企業への説明も難しくなる
日本では導入が始まったばかりということもあり、相手企業がDocuSignを知らないことが多いようです。そのため説明が大変だったり、やり取りが増えたりするといった声があります。その場合は、DocuSignから利用説明書を受け取ったり、定期的に開かれている説明会やミートアップに参加することができます。困ったときはぜひ活用してみてください。
海外サービスを使いこなせるかどうかがカギ
ここまでお伝えしてきたように、DocuSignはアメリカの製品ですので、完全にローカライズされていないこともあり、操作に慣れるまでには時間がかかるかもしれません。ドキュサイン・ジャパンや他社ユーザーとうまく連携をとりながら利用していくことが大切です。
DocuSignの他におすすめする電子契約サービス3選
DocuSignの他にも便利な電子契約サービスをいくつかご紹介します。
CONTRACTHUB
CONTRACTHUBは日鉄ソリューションズが提供しているサービスです。その特徴として、ユーザーのニーズに合わせたオーダーメイド型であるということがあげられます。購買システムと契約サービスを連携させて発注業務を自動化させたり、決済ワークフローシステムと電子契約サービスを連携させることができます。
また、利用料や利用の権限がサービスオーナー企業(発注元)に委ねられているため、取引先に合わせた料金設定ができたり、急な新規取引や一時的な取引にも迅速に対応することができます。
さらに、コンサルティングサービスなどのサポート体制も整っています。導入手続きやシステム運営、契約書・説明書などの雛形提供、自社と取引先への説明会開催などの実施もしています。
ライトパックは月額50,000円~、アップグレードをすると月額150,000円ほどになります。
BtoBプラットフォーム
BtoBプラットフォームは、インフォマートからリリースされている電子商取引プラットフォームです。見積、商談、受発注、契約などを、それぞれ専用のクラウドサービスによって自動化することができます。
文書を電子保管できるので、過去のデータの表示・検索・並べ替えや出力もとても簡単です。また、社内にあるすべての書類が共有できますが、閲覧制限をすれば指定した人以外は見ることができません。そしてなにより、20年以上の実績を活かした徹底されたセキュリティ管理は常に高水準を保っています。
月額料金が15,000円~とリーズナブルで、機能面を考えてもコストパフォーマンスが非常に良いサービスだといえます。
GMO電子印鑑Agree
GMOクラウドが提供している、国内導入数No.1の電子署名タイプの電子契約サービスです。
このサービスでは、電子契約をすべてクラウド上で完結できるのはもちろん、契約完了までのステータスを確認できるため、契約締結の漏れや遅延を防ぐことができます。またクラウド上に契約書を保管しておけば、証明書の更新通知やタイムスタンプの延長などを自動で行ってくれます。
また実印と同等の証明力がある電子署名と、手書きサインや認印のように使える電子サインが使い分けられ、印鑑文化からの移行も、それぞれの企業文化に合わせて行うことができます。
スタンダードプランは月額10,000円、電子署名と電子サインの使い分けができるビジネスプランは月額20,000円となっています。1カ月間無料のお試し期間もあります。
まとめ
電子契約サービスを導入することによって、これまでなにかと面倒で問題が多かった契約業務が効率的になります。特にDocuSignは契約締結の工程のほとんどの部分を担ってくれるため、業務効率が大幅に上がります。また海外契約に役立つのも特徴です。
導入の際には、DocuSignの他にご紹介したサービスも参照しながら、それぞれの特徴を踏まえて検討してみてくださいね。