プロジェクト管理ツール「Wrike(ライク)」の使い方を解説
毎日の営業活動には、多くの情報が関わり、また更新されていきます。顧客情報・打合せ日時・その内容、提案書の作成・資料収集・その期日などなど、変化していく情報を整理するにはITツールの活用が欠かせなくなってきました。
プロジェクト管理ツールを活用すれば、複雑な情報も一元化でき、チーム間での情報共有が容易になります。プロジェクト完遂までの道筋がみえやすくなり、作業の効率化も図れます。
今回は、数あるプロジェクト管理ツールのなかでも、多機能さと良心的なトライアル期間の設定で評判の「Wrike(ライク)」について、詳しくご紹介します。
Wrike(ライク)とは?
Wrike(ライク) は「タスク管理」「スケジュールと予算の管理」「ビジネスチャット」の機能がすべて含まれているプロジェクト管理ツールです。ロレアルやティファニーなど、世界的な企業でも活用され、生産性を高めることに成功しています。
Wrike(ライク)はどんなサービス?
Wrike(ライク) は情報の「見える化」に特化したサービスといえます。プロジェクトの進行状況や、締め日までの工数、ある人の提案書に寄せられたチームメンバーの意見や関連する予算の割り振りなど、すべてがわかりやすいボードやグラフ、リポートとなって見えるので、プロジェクトを正確に管理することができます。
Wrike(ライク)の提供会社
Wrike(ライク)は2006年に設立され、アメリカ・カルフォルニア州に本社があるWrike(ライク)社によって運営されています。2019年5月にはWrike Japan株式会社が東京・丸の内に開設され、時を同じくして、デザインツール・ソフトウェアの老舗、株式会社Tooが窓口となることで、日本でも身近な存在になってきています。
Wrike(ライク)の利用料金
Wrike(ライク)にはFreeプランの他に3つのプランがあります。
Professional(5、10、15ユーザー):1ユーザーあたり月額$9.80=約 1,100円(税別)
Business(5〜200ユーザー):1ユーザーあたり月額$24.80=約2,700円(税別)
Enterprise(5人から上限なし):金額非公表(要問合せ)
Freeプランは5人まで無料で利用できます。また有料プランには14日間の無料トライアル期間が設けられているので、「まずは試してみたい」という希望をかなえてくれます。
Wrike(ライク)の使い方
Wrike(ライク)はパソコンの他、スマートフォンやタブレットにも対応しているツールです。IDにはアドレスを使用し、同じIDでログインすれば、どのデバイスからも同期された情報を見ることができます。
多岐にわたるWrike(ライク)の機能から、よく使われるものとWrike(ライク)独自の機能をご紹介するので、自社のプロジェクト管理に合うものがあるかチェックしてみてください。
Wrike(ライク)の導入方法
Wrike(ライク)を始めるには、公式サイトにアクセスし、該当プランの「今すぐ登録」または「無料トライアルを開始」のボタンを押し、IDとして使用するメールアドレスを入力します。
スマートフォンの場合は、App StoreまたはGoogle playからアプリをダウンロードして開始します。また、GoogleアカウントおよびMicrosoftアカウントでのログインも可能です。
Wrike(ライク)の基本的な使い方
・タスク管理……新規・処理中・完了済の3段階でプロジェクトの進行状況をチェックできます。表示方法は、概要も同時に表示されるボード式、エクセルのようなテーブル表、シンプルなリスト式の3種です。有料プランであれば、カレンダーに落とし込んだ「ガントチャート」で締め切りまでの日数も一目瞭然となります。
・チャット機能……一般的なビジネスチャットに加え、画像やビデオ通話も共有でき、それぞれにコメントが残せます。メンバーの意見を集約したり、上長の承認を得たりするのに役立つでしょう。
・工数管理・予算管理……メンバーの作業状況や目標数値の達成度などをワンクリックでリポート作成できます。作業にどれだけ時間がかかったか、予算をどのように振り分けたかなどの分析リポートも可能です。
・テンプレート……チームの特性と利用目的に合わせた豊富なテンプレートが用意されています。多機能なWrik(ライク)を使いこなせるか心配な場合でも、このテンプレートを利用すれば、情報が複合的に整理され、パフォーマンスを向上させることができます。
Wrik(ライク)を利用するメリット
世界では200万人以上、日本国内ではすでに1,000社を超える会社がWrik(ライク)を利用しています。業務の効率化を実現できると人気のWrik(ライク)のメリットについて解説します。
無料でも利用できる
Wrik(ライク)には5人まで無料のフリープランが用意されているので、個人利用や少人数のチームでなら、コストをかけずに導入できます。無料プランでもタスク管理に便利な「ボード」「テーブル」「リスト」機能は使えるので、単純なプロジェクトが複数並ぶ程度になら十分に役立つことでしょう。
グループで共有タスクを管理できる
タスク管理にはチームメンバー全員がリアルタイムで参加することができます。ボード式なら、作業が終わった瞬間にドラッグアンドドロップで「完了済」に移動すれば、メンバー全員がそのプロジェクトが完了したことを知ることができます。
同様に、進捗状況が心配なタスクについてはチャットで担当者に指摘したり、手の空いている人が担当に成り代わって、タスクに付随されているファイルから詳細な情報を得て続きを担ったりと、オンタイムでプロジェクトのやり取りができるのです。
さまざまなサービスと連携可能
Wrike(ライク)は現在流通しているさまざまなサービスと連携することができます。代表的なところではオンラインストレージの「OneDrive」「Google Drive」「Dropbox」からの直接添付や、チャットツール「Slack」ほか指定アドレスからのメール内容をタスク化することも可能です。
ITツールの「Salesforce」「JIRA」「Github」とも連携できるので、部署間をまたいだ情報の可視化も可能になるでしょう。
Wrike(ライク)を利用する際の注意点
営業活動の可視化やチームメンバーとの情報共有に多大な力を発揮するWrike(ライク)ですが、利用するにあたって注意しておきたい点がいくつかあります。導入する前に知っておいてき、どう対応するか備えておきましょう。
プランによっては相場より高額
タスク管理ツールには売り切り型とサブスクリプション型(月額課金)の2種類があります。
Wrike(ライク)は月額利用型に相当し、また、利用人数でプランが区切られているため、プロジェクトが大きくなるごとに有料プランへランクアップする必要が生まれます。その分機能も拡充されますが、プランによっては他のツールよりも高いと感じることがあるでしょう。
ローカライズに少し問題あり
Wrike(ライク)は北米に本社があり、英語圏発祥のサービスなので、ローカライズに少々問題があることが指摘されています。使い慣れれば気にならなくなる程度の語感の違いですが、年長者や海外ブランドの文章に触れていない人ほど違和感は大きいかもしれません。
UIが気になる可能性がある
Wrike(ライク)のUI(ユーザーインターフェイス)はシンプルで使いやすいとおおむね好評ですが、より研究が進められている後発ツールの方が使い勝手が良い、と評価が分かれている部分でもあります。デザインや使用感に関しては好みもあるので、ともかく一度使ってみることをおすすめします。
Wrike(ライク)と連携すると便利なツール
前述の通り、Wrike(ライク)はさまざまなツールと連携できますが、なかでもおすすめのツールを3つ紹介します。以下のツールをすでに使っている人は、Wrike(ライク)を導入すればツール単体では得られなかった利便性の向上を感じることができるでしょう。
セールスフォース
顧客管理に特化しているセールスフォースですが、プロジェクトとの紐づけや現在進行中の情報を随時反映させることには少々不向きです。
Wrike(ライク)を連携させれば、メールの受発注では埋もれがちだった納期やクライアントとの約束事に対するタスクを管理でき、不測の事態にあってもオンタイムで情報共有が可能になります。
Gmail
Googleが提供するサービスとの連携には「Wrike for G Suite」が用意されています。Gメールの本文からタスクを抽出したり、メールの添付ファイルをタスクの資料として保存したりできます。また、Wrike(ライク)上のコメントをGmailアドレスで送受信することもでき、複数のツールを使うことによるストレスはほとんど感じなくなるでしょう。
スラック
「スラック」はビジネスチャットが非常に便利なことで一気に普及したツールです。社内の業務連絡はほとんどチャットで回ってくるという会社もあるでしょう。便利な一方で、情報を体系立てて保管することには不向きで、タスクが増えると管理しきれなくなるという問題もありました。
Wrike(ライク)と連携させれば、スラックを離れずにWrike(ライク)上のタスクとして投稿したり、Wrike(ライク)のタスクが進行するごとにスラックのメンバーへ通知したりすることができるようになります。
まとめ
ITツールは情報を整理するのに便利な一方で、複数のツールを導入すると、どのツールで管理すべきか迷ったり、欲しい情報が探しにくくなったりという弊害も生まれます。Wrike(ライク)なら、必要な情報管理の手段がほぼすべて含まれていることでしょう。他のツールとの連携や機能拡張も豊富に用意されているので、自社の業務にカスタマイズ化して利用することも可能です。
まずは、トライアル期間の2週間ほどでゴールとなるプロジェクトをWrike(ライク)に移行して、利便性と「タスクの見える化」の効果を試してみてはいかがでしょうか。