プリセールスの育成 どんな人材をプリセールスに育てる?
営業と共に顧客にプレゼンを行う「プリセールス」という仕事をご存知ですか?ITが広がっていく未来の社会にとって、欠かせない職業になると言われています。
営業は主に「商談」についての専門家です。対してプリセールスは「ITの技術的な面」での専門家です。ITの専門知識を持つエンジニアはすでに人手不足と言われていますが、顧客のニーズに合わせながら提案を行うプリセールスは、さらに人手が足りていない状況です。
では、どのような人材をプリセールスとして育てていけば良いのでしょうか。
人手が足りないプリセールス 育成がカギ
IT業界で営業と共に行動する「プリセールス」という職種は、人手不足という問題が解消されていません。ITはこれからさらに社会に広がっていくので、この問題はさらに深刻になるのかもしれません。
しかし、プリセールスという仕事はIT業界にとって無くてはならないものです。これからどう育成していくかが、カギになります。
プリセールス育成の必要性とは?
通常であれば、営業が自社製品についての詳細を顧客に紹介することで、購入・導入という流れになりますが、IT製品においては専門的な知識を要するため、営業マンだけでなくプリセールスという存在が不可欠になります。
では、このプリセールスを育成する必要性とはどのようなものなのでしょうか。
DX時代で需要が増える
「DX」とは「デジタルトランスフォーメーション」の略です。新しいテクノロジーが次々と登場し、社会のあらゆるビジネスモデルを変革させていくことを指します。
一昔前まで、ITはビジネスの世界で役立つものなのでは?というイメージがありましたが、今や一般家庭や公共の場など、さまざまな領域でITは活躍しています。
これから更にITは広がりを見せることになりますから、多くの分野で需要が増え増えることは間違いないでしょう。
ソリューションを的確に説明すると成約につながる
自社製品を紹介する際には製品の魅力を顧客に伝えますが、IT製品の場合はその魅力がどう役立つのかが想像できにくい面があります。特に顧客にITの知識があまりない場合であれば、顧客が抱えている問題を解決できるような提案すると成約につながりやすくなります。
ソリューションを的確に解決するには、プリセールスの専門知識が必要となりますので、セールスの面からも欠かせない職種であると言えます。
新しいソリューションを柔軟に吸収する若手が欲しい
プリセールスは顧客の課題に応じて製品を選びカスタマイズする必要があります。
ITの世界は進化がとても早いので、それらを応用した新しいソリューションを柔軟に吸収できる若手の需要が高まっています。
プリセールスに向いている人材
どのような職業でも「向き」「不向き」があると言われていますが、プリセールスにおいて「向いている人材」とは何でしょうか。
社会人一般に言える内容だけでなく、プリセールスならではのものまで、さまざまな面から見た「プリセールスに向いている人」をご紹介します。
新しい知識を貪欲に吸収できる人材
プリセールスで重要になるのは「ITの専門知識」です。エンジニアとして基本的な知識などは、スクール等で勉強することで学ぶことができますが、実は大切なのは「最先端の知識を常に理解しておくこと」になります。
ITの世界は日進月歩であるため、今の最新技術が半年後もしくは一年後にはあっという間に過去のものになることも日常茶飯事です。プリセールスになってからも新しい知識を貪欲に吸収できる人物は向いていると言えるでしょう。
人が好き コミュニケーションが苦にならない
人と接することが好きで、コミュニケーションをとるのが苦にならないという人であれば、プリセールスに向いていると言えます。誰かのために役に立ちたいと思うことは、顧客の問題を解決する際に大きく役立つことになるでしょう。
顧客の力になり喜んでもらう姿を実際に見ることができるプリセールスという仕事は、人が好きという人には適職とも言えるのでなないでしょうか。
よく勉強する人材
プリセールスとしてスキルが高いと言われ人は、自社製品に関係することだけでなく、幅広いジャンルの情報まで理解できている場合が多いようです。
今、必要な分野以外にもさまざまな勉強にも積極的に取り組める人は、プリセールスに向いていると言えます。
顧客は決まった分野であるとは限りません。さまざまな分野に顧客のフォリューションにも即対応できるように、日頃からコツコツと学べていける人は多くの企業から求められる人材となります。
社内からプリセールスを発掘して育てる
人材不足と言われているプリセールスですが、希望者が来ることを待っているだけでは、なかなか集めることは難しいのかもしれません。
今、自社にいる人材の中から「発掘して育てる」ことで、着実に育てるという手法の方が、確実に人材を確保することもできます。
では、どのような点に着目して「発掘」すれば良いのでしょうか。
営業から発掘
一番初めに目を付けるべきなのは「営業」です。営業を行っている時点でコミュニケーション能力やプレゼン能力など、プリセールスとしてのスキルの幾つかをすでに持ち合わせているからです。
しかし、大切なのは「専門的な知識」を持っていることになるので、社内でもしくは個人的にも、しっかりと勉強をしてエンジニアとしての知識を身に着けることが必要となります。
プリセールスは営業と一緒に行動することになるので、営業のノウハウが身についていることは、今後役に立つことになるでしょう。
エンジニアから発掘
営業と逆に「エンジニア」から発掘することも可能です。エンジニアの専門知識を身に着けるということは短期間でできることではなく、また新しい情報を勉強しつづけることも重要となるため、最初からその知識を有しているエンジニアであれば、プリセールスへの転身も可能です。
元々、人と接することやコミュニケーションをとることが得意な人材であれば、営業ノウハウを吸収することでおおいに活躍することができるでしょう。
技術とビジネススキルを吸収させる
自社にいる人材をプリセールスとして育てるとなると、時間も労力も必要となりますが、元々セールスやエンジニアとしてのノウハウや知識は持ち合わせているので、ゼロの状態から育てる場合よりも、即戦力として活躍できる可能性はあります。
現場で技術とビジネススキルを吸収させることで、現場で活きるスキルを身に着けることもできます。
プリセールスはますます必要になる 丁寧な育成で現場への定着を
プリセールスは将来的にも需要が高まり、やりがいのある仕事となるのは間違いありませんが、簡単にやっていける職種でもありません。
専門的な知識を学び続けることは大変な労力ですし、セールスとしてのプレゼン能力やコミュニケーション能力も勉強すればできるようになるようなスキルではありません。
戦力となるプリセールスを育成していくためには「丁寧な指導」が必要となります。常にサポートできる環境を整えておけば、プリセールスとして現場に定着させることも可能になるでしょう。