営業戦略を考える前に読んでおきたい、参考になる本3選
プロジェクトを立ち上げる際に「営業戦略」は立てていますか?「今まで通りのやり方で」もしくは「その場その場で考える」といった企業も少なくないのではないでしょうか。
どの企業であっても、新商材の開発等には莫大な費用もかかっているでしょう。それを、無計画に売り込むのは、あまりに勿体ないことです。
営業戦略は「成功」への最短ルートを示してくれるものです。今やるべきことの詳細が見えてくると、チーム全員が同じ方向へ進みはじめるため、効率的にプロジェクトを進めることができます。
「営業戦略を立てるための4ステップ」と「営業戦略に役立つおすすめの本」をご紹介します。
営業戦略を立てる4ステップ
営業戦略を立てる時に大切なことは「フレームワーク」を明確にしておくことです。フレームワークとは、用意された枠組みにそれを当てはめる形で思考を進めていくものです。考え方が効率化されるので、あちらこちらへ飛んでまとまりがないということがありません。
チーム全員が同じ目標を達成するためには、どんなコースを使って、どんな方法で進んでいくのかという考え方を一致させておきましょう。効率的な戦略はゴールへの最短コースに繋がりやすいのです。
目標の設定
営業戦略を立てるうえでのポイントは「明確な目標を立てる」ということです。目の前の目標だけでなく、中長期的な目標も必要です。
まずは市場を調査し、達成可能な目標を掲げましょう。現実的でない目標を作っても意味がありません。大切なのは「会社としてどう成長したいか」です。曖昧な努力目標ではなく、売上率や獲得する顧客人数など期限を決めたうえで数値化したものを設定しましょう。
チームの一員として「やるべきこと」が見えてくると同時に、一体感にも繋がります。
見込み客の獲得
自社商材を購入する可能性がある見込み客に興味を持ってもらうためには、待つ姿勢の「インバウンド」ではなく、こちら側から売り込みをする「アウトバウンド」が必要です。
少しでも商材の魅力を理解してもらうために、自ら発信していくことで顧客は興味を示しますが、宣伝をしたからと言って購入してくれるとは限りません。
しかしながら購入の可能性がゼロではないのも「見込み客」。積極的に行かない手はありません。顧客の抱えている課題を探り、自社商材を交えながらニーズに答えていく必要があります。
クロージング
「クロージング」とは顧客との契約が締結することを指します。クロージングのタイミングを見誤ってしまうと、契約見送り、もしくは他社に契約を奪われる可能性もあります。
よく見かけるのが「詳細を確認して後日連絡します」と、その日のうちにクロージングをしないという事例。具体的な顧客の返答を聞かずに先延ばしにしてしまうことで、せっかく盛り上がってきた顧客の購入したい気持ちが冷めてしまいます。
その日のうちにクロージングするには、まず「自社商材の詳細を完全に把握しておく」ことが必須です。また「売上が上がりますよ」という曖昧なトークではなく「導入した企業は売上が◯%上がりました」と具体的な例を出すことも、顧客を納得させる手段です。時には「購入する気あります?」と単刀直入に聞いてみても良いでしょう。
顧客を維持する
契約締結すれば営業はおしまいという訳ではありません。見込み客が顧客になってからのサポートで、更に売上をアップすることもできます。
実際の自社商材を利用してみて改善すべき点はあるのか、新たな課題があるとすれば、どう解決していくのか等、積極的な営業をすることが次の契約や新たなビジネスチャンスを生むことに繋がるのです。
「何かあれば連絡ください」といった受け身のスタイルでは顧客を維持することはできません。積極的な姿勢を取り続けることが大切です。
営業戦略に役立つおすすめの本3選
実際に現実的な営業戦略を考えるとは言っても、思い浮かぶのはこれまでと同様のものばかり…なようでは、今までと同じような結果しか手に入れることはできないでしょう。
新しいアイデアを取り入れたいのであれば「新しい引き出し」を手に入れましょう。
「ヒットの設計図」「クロージングの心理技術」「キーマンの探し方」が具体的に書かれた本を3冊ご紹介します。営業戦略に役立つおすすめばかりです。
ヒットの設計図――ポケモンGOからトランプ現象まで
デレク トンプソン
心理学とネットワーク理論を元にして、ヒット商品を生み出すために必要なことが書かれた一冊です。
音楽、テレビ番組、映画、アプリ、インターネット上のものなど、ヒット商品というものは、突然出現したかのように思われますが、それらは必ず何かの「ルール」に支配されており、そこには必ず隠れた発端がある、といったような内容です。
ヒットの設計図を作るためのヒントが、ポケモンGOやインスタグラムなどを例に記載されています。
自社商材をヒット商品にしたいと考えるのであれば、読んでおいて損はありません。ヒット商品は新しい奇抜さだけではなく、懐かしいと感じられるものや、古いものに新風を吹き込んだものなども、含まれるのだそうですよ。
ヒットの法則があるのならば、ぜひ知っておきたいものです。
クロージングの心理技術21
ドルー・エリック・ホイットマン
毎回いいところまでいくのに、なぜかクロージングできないと悩んでいる方や、営業職の人材育成を任されている方におすすめの本です。
肝心なところで顧客の気持ちを掴めずクロージングできない人もいれば、なぜか毎回初対面でもクロージングできている人もいます。このふたりの差は一体どこにあるのでしょう。人柄でしょうか?それとも、熱意でしょうか?
実は、ふたりの話す内容は99%は同じなのだそうです。そのわずか1%の言い回しの違いが、結果を大きく左右させているのです。
契約が取れるのは「センス」の問題と諦めている人には、ぜひおすすめしたい1冊です。「クロージングの技術」を知ることで残りの1%が見えてきます。
隠れたキーマンを探せ! データが解明した 最新B2B営業法
マシュー・ディクソン
ブレント・アダムソン
パット・スペナー
この本は「チャレンジャー・セールス・モデル」の続編です。本のタイトルにある「B2B営業」とは顧客が企業の場合の営業のことを指します。
個人向けの営業「B2C営業」と違い「B2B営業」は誰と接するかが大きなポイントになってきます。購買決定権を持つ「隠れたキーマン」を見つけその人から、企業の課題を聞き出すことが重要になってくるからです。
「モビライザー」と呼ばれる隠れたキーマンは一体どのような人物なのか、またその「モビライザー」にどう接しながらコミュニケーションをとっていくべきなのかが、具体的に書かれた一冊です。
B2B営業の場合、ただその商材が欲しいというだけでは契約締結はできません。お互いの信頼関係を築くためには、顧客の課題を共に解決し、常にニーズに答え続ける姿勢が必要なのです。
高度な営業スキルは数々の経験を得て身についてくるものですから、すぐには難しいものです。しかし、知識を得ておくことで実践に結びつきやすくなることも、あるのではないでしょうか。
まとめ
「営業戦略」は「旅のしおり」に似ています。ノープランで着の身着のままにブラブラ旅行を楽しむ人もいるでしょうが、大半の人は、しっかりプランを練って旅を楽しみます。
ガイドブックで現地のリサーチをし、飛行機で行くべきか新幹線で行くべきかと悩み、行った先でどこの名所に行けば素敵な記念写真が撮れるだろうかと、計画を立てるのです。
そして同行者にしおりを配り共有します。細かな単位で計画を立てると効率よく行動できますし、余裕を持って楽しむことができますから、旅は「成功」します。そして、この成功例を元に次の旅行の計画を立てるのです。
「成功」を掴むためには、営業戦略は欠かせません。プロジェクトを成功させるために明確で現実的な戦略を立てましょう。まずは、ご紹介した本を読んでみて、自社の営業スタイルや商材に合った戦略を考えてみませんか。「成功」の確率はグッと上昇しますよ。